2008/06/07

ブーレーズのマーラー、ベルク、シェーンベルク


 ピエール・ブーレーズ指揮パリオペラ座管弦楽団のシンフォニーコンサートが、サルプレイエルであり行きました。プログラムは以下の通りです。

GUSTAV MAHLER Symphonie n°10 (Adagio)
ALBAN BERG Altenberg-Lieder
ARNOLD SCHÖNBERG Pelléas et Mélisande, poème symphonique, op. 5
Laura Aikin, soprano



さてブーレーズは、決してクックなどの改訂版による全曲演奏はしないそうで、今日も第一楽章のアダージョのみの演奏です。この曲は1910年の作品で無調的な要素が強いのですが、ブーレーズは感傷に浸ることなく、純粋な音楽を造形するように演奏します。次の1912年作品ベルクの「アルテンベルク歌曲集」は、アメリカのソプラノ、ローラ・エイキンの独唱だったが、ベルクのこんなに短い作品でなく、オペラを聞きたくなった。ブーレーズは淡泊に交通整理をするように、はいこんな感じ!って手慣れた様子で、まとめた。
休憩後、メインのシェーンベルク「ペレアスとメリザンド」は、前半二作より時代がさかのぼり1902年から3年頃の作品で、無調になるまえのロマン主義的色合いの強い作品です。しかも、大規模な編成で演奏されるので、音響的にも圧倒されます。ブーレーズはとても83才とは思えないほどの若々しさで(かといって熱血的ではなく)、この大曲を指揮していました。年齢から考えると、驚異的です。コンサート後は、熱烈な拍手に包まれたのですが、このマニアックな選曲の本意がどこまで伝わっているのかは疑問でした。

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