2008/06/08

シャイー指揮ライプチッヒ・ゲバントハウス管@サル・プレイエル




 イタリアの指揮者リッカルド・シャイー指揮による、世界で一番ふるいオケ=ライプチッヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のコンサートを、サル・プレイエルに聞きにいきました。二日続けてのサル・プレイエルになったのですが、昨日は一階(日本風に言えば二階)バルコン、今日は二階(同様に三階)バルコンで聞いたのですが、二階バルコンの方が音が良い感じがしました。このホールは、音響に問題があり、最近改修が終わったばかりです。それでも音響の改善の効果あまりないというので、パリ管弦楽団は新しいホールを造ることを考えているようですが、今日は良く聞こえました。

 今日のプログラムは、前半はギリシア人ヴァイオリニスト=レオニダス・カヴァコスによるブラームスのヴァイオリン協奏曲、休憩をはさみ、アルヴァ・ペールト作曲「ベンジャミン・ブリテン追悼のカントゥス」、そしてチャイコフスキーの交響曲第4番でした。

 前半のブラームス、ゆっくり目のテンポで第二楽章までじっくり歌い、第三楽章はシャイーもカヴァコスも、実に音楽を楽しみながら演奏している様でした。なにかジャズのセッションを聞いているようなのです。それにゲヴァントハウスの音色が美しく、はっとすることが多かったです。後半のプログラムは、最初のペルトの作品は、管楽器がまったくいないでそこには、ただ鐘を打つ打楽器奏者しかいません。その鐘の音によって、我々は癒されるというわけです。確かに美しい曲ですが、この癒し系に素直に溺れるわけには行くものかという気持ちになりました。まあ、偏屈なだけの話なのですが・・・最後のチャイコの4番は、迫力があり、熱狂的なのですが、何か下品な感じに聞こえました。最後まで、その下品さは続き、フィナーレとなりました。まあ、ここでブラボーと叫びたく鳴る気持ちもわかるのですが、私は少しさめてカーテンコールを眺めていました。

 尚、オケの配置は写真にあるように、第一ヴァイオリンと第二ヴァイオリンがステージ前面で向かいあう対向配置でした。そして、ど真ん中の後ろにティンパニー、右側後方に金管楽器たちが配置されたのですが、確かに各パートは良く聞き分けられると共に、重層的な音響になっていたと思います。とはいえ、ロシア的要素を全く排除して、オケの能力を見せつけるように、品なく曲を煽っているようで、好きになれませんでした。

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