2008/06/18

レザール・フロリサン ヘンデル作品の夕べ@音楽都市


音楽都市の「祭典と犠牲」シリーズの最終日、レザール・フロリサンの演奏による、ヘンデル「聖セシリアの日の頌歌」をメインとするコンサートに行く。ちょうどユーロ2008のイタリアvsフランス戦と重なっていたため、少し残念だったが(結局フランスは2-0で負けてしまった)魅力的なコンサートを優先するのは当たり前だろう。

さて、レザール・フロリサンの音楽を聴くのは、渋谷のオーチャードホールで行われた、ラモー「レ・パラダン」以来である。今日のコンサートの指揮は、いつものウィリアム・クリスティーではなく、なんとテノール歌手のポール・アギュニーだった。彼はクリスティー以外にも、ミンコフスキー、コープマン、ガーディナー、アイム、ヘレヴェッヘ等々古楽のスペシャリスト達と共演を重ねていて、ラモーでいえばミンコ&ローラン・ペリによるすばらしい舞台「プラテ」のタイトル・ロールを歌っている。


しかし、指揮の活動は知らなかった。独唱は、ソフィー・ダヌマン(ソプラノ)とエド・ライアン(テノール)


プログラムは以下の通り

Georg Friedrich Haendel
Zadok the Priest, coronation anthem HWV 258
My Heart is Inditing , coronation anthem HWV 261
The King Shall Rejoice, coronation anthem HWV260
entracte
Ode for St.Cecillia's Day HWV76
Les Arts Florissants, choeur et orchestre.
Paul Agnew, direction
Sophie Daneman ,soprano
Ed Lyon, tenor

まず、アグニューの指揮ぶりだが、これが結構笑える。両手が一緒に動く感じが幼稚園のお遊戯のようでもあり、身体を動かしすぎの感じもする。とにかく、クリスティーやミンコフスキーのような洗練さはない。作り出す音楽は、歌手だけあって、歌をよく歌わせるが、リズムの意識が低いようで、躍動感に乏しい。しかし、そこはなんと言ってもレザール・フロリサン、トランペットの音程が多少不安定だったにせよ、アリアを伴奏するソロ楽器(チェロやフルートトラヴェルソ)の妙技も加わり、上質の音楽を奏でていた。歌手も、ダヌマンの出来もすばらしく、久しぶりに充実した音楽を聴くことが出来た。

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