2008/07/04

ヴィンタートゥールへ






昨年の美々の旅行では、チューリヒに三泊しました。その一日目にはチューリヒ近郊の都市、ヴィンタートゥールのオスカー・ラインハルトコレクションを見ました。私は残念ながら、そこには同行できませんでした。また参加者たちが見ることができたチューリヒのビュールレコレクションも、昨年の盗難事件以降美術館が閉まったままなので、私は見ることが出来ません。今日は、そのヴインタートゥールに行き、昨年見ることが出来なかった分たっぷり見てきました。まず、オスカー・ラインハルトコレクションは、郊外の邸宅レーマーホルツと中心部シュタッツガルテンの美術館と二つあります。駅からはバス(といっても、ワゴンタクシーなのですが)で、市内の美術館と、レーマーホルツを周遊することが出来ます(5フラン)。時間が惜しいので、それを利用しましたが、若い頃だったら歩けて行ったかもしれません。最初に訪問したレーマーホルツは、セザンヌやルノワール、マネといった印象派の他、ルーカス・クラナッハ、ゴヤ、コロー、ドラクロワ等々、なかなか優れたコレクションです。今回の訪問では、ちょうどドーミエに焦点を当てた展示となっていました。庭園も含め、箱根などの保養地の美術館に行ったような気持ちになります。次に、バスで市内に戻り、シュタッツガルテンの美術館に行きました。そこの目玉は、なんといってもフリードリヒにつきます。フリードリヒの海の表現が、分割派とさほど遠くないことが確認できました。また、当然ながらスイスの画家のコレクションも豊富で、日本にも展覧会が巡回していたアンカーやホドラーの良品とも出会うことが出来ました。この美術館のあと、現代美術の展示をクンストハレでみたあと、時計博物館、工芸博物館をはしごし、さいごに市立美術館に入りました。当初、さほど大きくないと思っていたのですが、とんでもありませんでした。すばらしいコレクションで、新館があり、そこには現代美術の作品と、特別展まで開催されていて、驚くばかりです。個人的には、シャルル・エドワール・ジャンヌレ(ル・コルビュジエ)のピュリスムの作品がやはり気になりますが、特別展のLisa Hoeverの平面作品群も興味深かったです。日本の作家でいえば中西夏之的な作風で、植物のモチーフのヴァリエーションに興味を持ちました。

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