2008/12/15

ロンドンフィルの名曲コンサート@シャンゼリゼ劇場




日本のオーケストラは、珍しい曲を演奏することの多い定期演奏会と名曲コンサートとに分けて公演されることが多いです。名曲コンサートは、啓蒙的要素が多く、定期演奏会は熟練した観客=定期会員の興味を満たすものとなるわけです。また、日本の場合定期演奏会には、オーケストラの創設以来の通し番号がついています。N響定期1637回といった具合なのですが、そういえばフランスのオケの定期演奏会にはそういった番号はありません。
12月12日にシャンゼリゼ劇場で聞いた、ロンドン・フィルの演奏会は、プログラムがブラームスのピアノ協奏曲第二番、休憩のあとチャイコフスキーの交響曲第六番悲愴という、まさに名曲コンサートと言っていいものでした。クリスマスも近くなったこともあるのでしょうか、その名曲故に子供連れの人も多かったです。(日本では、未就学児童の入場を断ることが多いのですが、こちらでは普通に未就学児童が入場しています。)
今回の演奏会、ピアノ独奏はニコラ・アンゲリッシュ、指揮はウラディミール・ユロフスキという若手コンビのものでした。久しぶりに聞く、ロンドンフィルは決して上手いものでなく、特にブラームスはがっかりさせましたが、ロシア人指揮者のお国ものの悲愴は、それなりの演奏でした。とはいえ、私に感動を与えてくれるものではありませんでした。また、名曲コンサート故の、演奏会に慣れていない観客が多いからなのか、ラテン系の乗り故なのか、楽章と楽章の間に拍手が入り、慣れた観客からのシーという声が飛び交うことになります。また、指揮者が腕をおろす前のフライング拍手も入り、興ざめでもあります。それでも、観客はこのコンサートをとことん楽しもうとしています。そこにこの国の特性を見たようなきがします。

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