2008/12/10

フランスのブロンズ展@ルーヴル美術館





パルナッソスの山 音楽家のリュリやラシーヌ、モリエールらの名もある
この図を見ていると、フランソワ・クープランの「リュリ讃」を思い出す。


ルーヴル美術館は巨大な美術館ですが、、現在開催中なのはマンテーニャ展のような別料金を払って入場する大規模な展覧会の他に、常設展示の入場料金に含まれている、小規模な特別展がいくつも開かれています。今現在では、ピエール・ブーレーズの展覧会、デンマークの宮廷画家アビルドガード展、ブタペストの美術館からオランダのデッサン展、そして「フランスのブロンズ ルネサンスから啓蒙時代まで」展が開かれています。
それぞれの展覧会は、ドノン、リシュリュー、方形宮のそれぞれで開かれているのですが、ブーレーズ以外の三つを観てきました。最初にリシュリュー翼の入口から入場してすぐのフランスのブロンズ展は、とても見応えのあるものでした。普段、ここでの展覧会は、小さい部屋二つで開かれることが多いのですが、今回はそこでの展示の他、リシュリューのマルリーの中庭、ピュジエの中庭に点在しているブロンズ像も、展覧会の一つに組み込み、周遊するように見学するようになっていました。
それらの多くは、常設展示で観られるものでもあるのですが、特別展の一つであることがわかるように、緑青色の壁を設置して、それが特別展の一部であることを明確にするという手法で、良く考えたものだと感心しました。
これらの展示をみていると、ブロンズ像の多くが為政者の像であることが多く、フランスの歴史を学ぶことにつながることに気づきます。また、王の権力がどのように公共空間に視覚化されていったかもわかり、とても興味深い展覧会でした。
私はもともと17世紀の研究をしていたので、特にアンリ4世以降のブルボン王朝の権力の図像化に興味をもちましたが、特にルイ14世の子供から王様への変遷は面白かったです。

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