2008/11/08

パリの未来派展@ポンピドゥーセンター

パリの秋の展覧会は、本当にピカソ一色といった感じです。グランパレの「ピカソと巨匠」は、入場一時間待ち必至なので、すく時期をねらってまだ見ていません。ルーヴルの「ピカソとドラクロワ」やオルセーの「ピカソとマネ 草上の昼食」の展示は見ましたが、その自由な線を、ただただ堪能するのみです。
さて、それらに比べるとポンピドゥーセンターの秋のメイン展示「パリの未来派」展は、地味な感じがします。この展示は、イタリアの未来派がどのように成立したのかを、パリの芸術運動から見直す展示なのですが、その一番最初に出てくるのは、当然ながらパリのキュビスムとなります。
この展覧会、前の「聖なるものの痕跡」展のような、複雑な展示空間とは異なり、かなりゆったりとした展示になっています。悪く言えばスカスカな感じがしないわけでもありません。展示は10のセクションにわかれて、その一番最初の部屋が「未来派から見たキュビスム」当然ながら、ここにピカソの作品が展示されることになるのです。私は、所謂分析的キュビスムの時代のブラックやピカソの作品は大好きなので、面白くみましたが、それから未来派そのものの作家の作品の展示に移ると、どうもしっくりいきません。ボッチョーニの作品はすばらしいと思いますが、そのほかの作品は見劣りするのです。その後、様々な影響関係が展示されますが、何か美術史の講義のスライドを見ているようで、作品から伝わってくるものを、素直に鑑賞するという気持ちにはなれませんでした。

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