2008/04/29

ミンコフスキー指揮MLG@シャトレ座



マルク・ミンコフスキー指揮による、ミュジシャン・ド・ルーブル・グルノーブルの公演が、シャトレ座であり、喜び勇んでいきました。プログラムは以下の通り


Joseph Haydn Symphonie n°85 en si bémol majeur « La Reine de France »

Christoph Willibald Gluck Suite extrait du ballet Don Juan (version originale)

休憩

Jean-Philippe Rameau "Autre Symphonie" (Extraits de la Suite pour orchestre des Indes Galantes, Ouverture d’Acanthe et Céphise, La Chaconne de Castor et Pollux, extraits de Zoroastre)

 当初は、グルック、ハイドンの順番だったところを変更しとなった。指揮者は、演奏前に曲目を述べてから始める。またグルックの作品では、バレエ音楽なので、指揮者自らあらすじを朗読してからの演奏となった。

 そして、休憩後は十八番のラモー、これはミンコフスキーがラモーの様々な作品から抜粋し空想的にシンフォニーを構想したもの。

 このオーケストラは、作曲家と同じ時代の楽器と演奏法による演奏(ピリオド奏法という)を手がけるのだが、その音色は近代的なオーケストラの音に慣れた耳からすると、叙情性に欠けるように感じるかもしれないが、その生々しい音は身体的に揺さぶりをかけ、はらはらどきどき音楽を身体化していく喜びを感じることになる。指揮者のミンコフスキーは、このオケを良く訓練し、緻密なアンサンブルを、実に巧妙に統制する。そして、自由闊達に、音楽を謳歌するような指揮ぶりは、現役の指揮者のなかで一番見ていて楽しく、美しいと思えて成らない。今回も、そのミンコフスキーらしさ全快で、私だけでなくシャトレ座の観客全員を魅了した。コンサートは熱狂的に終わると、拍手の嵐に応え二曲のアンコールがあり、最後は観客の手拍子が自然に始まり、楽しいうちにコンサートは終わった。これぞ、フランスバロック音楽といった感じだった。

 ミンコフスキーの演奏をパリで接する機会が、ここ数年減ってきている。しかし、今日の指揮ぶりをみて確信するのは、彼こそがパリに必要な指揮者なのだと・・・・

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