2009/01/15

美術史美術館で消耗する






美術史美術館のコレクションは本当にすばらしい。ロンドンのナショナル・ギャラリーやマドリッドのプラド美術館と並ぶ三大絵画コレクションだと思う。ルーヴルにも名品が多いが、フランス絵画を外すと、三つの美術館には及ばないと思う。なので、入館するとどうしてもじっくり見てしまう。そして、消耗してしまう。いきなり、ティティアーノの名作群に打ちのめされ、パルミジャニーノの奇想に魅入られ、カラヴァッジョで茫然自失したかと思うと、これからいやと言うほどのリューベンスが始まる。レンブラント、そしてフェルメールの絵画芸術のイニシエーションを受け、アルトドルファーやクラナッハ、さらにはデューラーといったドイツ絵画の精髄にふれ、ブリューゲルにとどめを刺されることになる。身ながら、ヴァン・ダイクはなじめないことを再確認したりして、気がつくと3時間以上絵画室にいることになる。日本人が大好きなフェルメールの「絵画芸術」は通路みたいなところの展示で、本当に間近で独り占めしながら鑑賞ができるのも良い。今日はスケッチをしながら、見ていたら、多くの観客が立ち止まらない。もっとも、ルーヴルみたいに混んでいないからかもしれないが、本当に5分ぐらい人が通らなかった。5分ぐらいして何人かが素通りして、しばらくするとがさがさと日本人の団体がやってきて、1分ぐらい立ち止まって鑑賞して、過ぎ去っていった。僕がスケッチしている間、一番長く作品を鑑賞していたのがこの団体だというのは、皮肉めいている。11時に入館して、昼を食べそびれてしまったので、クロークの前のベンチに座って、サンドイッチを食べてから、コインギャラリーと古代およびエジプトの展示室に入ったが、既に目は受け付けず、ウォーキングとなってしまった。

0 件のコメント: