2009/02/27

フィガロの結婚@シャンゼリゼ劇場





今僕が世界最高の指揮者だと思っているマルク・ミンコフスキーと彼が率いるレ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル・グルノーヴルがピットに入ったモーツァルト「フィガロの結婚」を、シャンゼリゼ劇場で見た。2001年の制作されたもので、今回が3回目の再演ということなので、いわばスタンダード化した演出なのだろう。Jean-Louis Martinotyの演出は、奇をてらうことなく正統的なもの。既にNHKでも2004年の再演が放映され、DVD化もされている。初演から2回までの再演の演奏を担当していたのが、ルネ・ヤーコプス指揮コンチェルトケルン、またCDでは伯爵(サイモン・キーンリィサイド),伯爵夫人(ヴェロニク・ジャンス),スザンナ(パトリシア・チョーフィ),フィガロ(ロレンツォ・レガッツォ),ケ ルビーノ(アンジェリカ・キルシュブラガー)という豪華キャストのCDが発売されていて、これは本当に素晴らしい演奏だった。得に、 ニコラウ・デ・フィゲイレドが担当する通奏低音が本当に素晴らしく、私の愛聴盤となっている。
今回のフィガロでは、それを乗り越えるかということが問題になるかもしれないが、全く別のものと考えて見た方がよさそうだ。今回の配役は、伯爵P・スパニョーリ、、伯爵夫人M・コヴァレフスカ、スザンナO・ペレチャトコ、フィガロにV・プリアンテ、小姓ケルビーノA・ボニタティブスというもの。ヤーコプスのCDに比べれば劣るが、伯爵以外は新進の歌手たちの活きの良さを感じた。得に伯爵夫人のコヴァレフスカ、2007年の新国立劇場でのフィガロでも同役を歌ったが(このときはパスして聴いていない)、最近はメットの常連になっているのも納得する。さて、ミンコフスキーだが、第三幕の結婚式における舞曲の場面など、彼の美しい指揮を見ながら、この曲を再び聴けたことに感謝の気持ちみたいなものを感じることになった。

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